麦ごはんの健康効果

麦ごはんといえば、杜の都仙台名物の牛タン焼き定食のメニューの中では定番のテールスープとともに欠かせない存在ですが、その麦ごはんのもたらす驚くべき健康効果について紹介させていただきたいと思います。

麦ごはんの食物繊維の健康効果

麦ごはんに含まれる大麦の栄養素の中で特質すべきものとしては食物繊維が豊富に含まれていることが挙げられます。

精白米が100グラム当たり0.5グラムの食物繊維に対して、精麦(押麦)は9.6グラムの食物繊維が含まれております。(押麦というのは外皮を剥ぎ、蒸しながらローラーで圧延した麦のことをいいます)

食物繊維には大きく分けると水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があり、精白米では水溶性食物繊維は殆ど含まれておらず、不溶性食物繊維は100グラム当たり0.5グラムに対し、大麦は水溶性食物繊維が6.0グラム、不溶性食物繊維が3.6グラム含まれています。

(五訂増補 日本食品標準成分表より)

大麦に多く含まれている水溶性食物繊維の健康効果

水溶性食物繊維には、コレステロールの吸収を阻害し、食後の血糖値の急激な上昇を抑制して糖代謝を改善する働きがあります。

また、水溶性食物繊維は胃の中で膨張して胃の滞留時間を長くして満腹感を得ることで食べ過ぎによる肥満防止の効果や直腸などでの排泄物の容積を増大することで排便を促進させ、便秘の予防効果も期待できます。

麦ごはんを2週間食べ続けることで悪玉コレステロール(LDL)の値のみが大幅に改善

国立・健康栄養研究所が40歳代の高脂血症患者20人を対象に行った調査では、1日2回麦ごはんを二週間継続して摂取を行うことで総コレステロール値は摂取前では278±60mg/dlの値が、麦ごはんを二週間摂取直後では251±46amg/dlの値に低下しており、更に麦ごはんから
精白米に戻して二週間後も257±40aの値となっております。

コレステロールの中でも悪玉コレステロール(LDL)の値は、摂取前、186±48mg/dlから摂取直後、162±43mg/dlaと大きく低下しているのに対して、善玉コレステロール(HDL)の値は、摂取前、48±10.8mg/dlから摂取直後、49±10.9amg/dlと殆ど変化していないという、悪玉コレステロール(LDL)の値のみが大幅に改善したという結果が出ております。

刑務所での主食の麦飯が2型糖尿病の症状を緩和させたという報告も

2005年の第46回日本人間ドック学会学術大会では、福島刑務所の2型糖尿病患者の血糖値が大幅に改善され、糖尿病患者でインシュリンで治療を行っていた17人中、5人が注射をやめることができ、経口血糖治療薬で治療していた34人中17人も服薬を中止できたという事例が紹介され、これは刑務所内の主食である麦ごはんを摂取することとの相関性が高いものであるという内容の発表が行われました。

福島刑務所医務課の日向正光という方が、刑務所内での受刑者の主食が白米が7、大麦が3の麦ごはんであることに着目し、麦ごはんを毎日食べる
ことで日本人男性の平均の2倍の食物繊維、水溶性食物繊維に至っては5倍も摂取していたというデータなどから、水溶性食物繊維を多量に摂取していたことが糖代謝の改善に繋がり、糖尿病の症状を緩和することができ、規則正しい生活習慣を行うことで十分な治療効果の可能性があるという報告を行いました。

麦ごはんのビタミンB群の健康効果

麦ごはんに含まれるビタミンB1(別名チアミン)

ビタミンB1は水溶性のビタミンで食事などで摂取した糖質をエネルギーに変換させる代謝活動に必要な補酵素の働きをします。

疲労回復のビタミンとも呼ばれ、ビタミンB1が不足すると糖質の代謝が低下し、乳酸やピルビン酸などの疲労物質が蓄積され、疲れやすくなり、食欲不振や倦怠感などの症状に陥るようになります。

このビタミンB1不足が高じると、心不全と末梢神経に障害をきたす、かつては大正時代から戦後間もないころまで、肺結核と並ぶ二大国民病とまでいわれた脚気(かっけ)という病気になり、下肢のしびれやむくみ、動悸などの症状が見られるようになります。

ビタミンB1は、穀物の胚芽に多く含まれていますが、お米の場合ですと精米をすると、精米の際に米ぬかとして胚芽も一緒に流出してしまい、米を水でといだり、炊飯すると更に失われてしまいます。

ビタミンB1の多く含まれている大麦を混ぜ合わせた麦ごはんをとることでビタミンB1をごはんで効率よく摂取することができます。

麦ごはんに含まれるビタミンB6

ビタミンB6は血液の赤血球中のたんぱく質の一種であるヘモグロビンが体内で生成される際に一番初期の段階で必要とされる成分で貧血を予防する効果があるといわれています。

また、ビタミンB6はアミノ酸の合成にも関与しており、アミノ酸はたんぱく質や脂肪の分解に必要な成分で血管細胞の素にもなっています。

牛タン焼き定食に麦飯が付いているのも、牛タンのお肉でたんぱく質を多く摂取するので、ビタミンB6が豊富に含まれている麦ごはんを食べることによって摂取したたんぱく質の代謝を高めてくれるということで、理に適っているといえるでしょう。